【この記事の対象者】
・帝国ホテル東京の面白いプランを探している
・自分かパートナーかお子さんがスヌーピー大好き
・少し暇な人
【この記事の登場人物】 著者・・・聖地(サンタローザ)まで一人で巡礼に行く程度のファンのおじさん 彼女・・・普通にスヌーピー可愛いよね、程度のファン 部屋の主人・・・「月に初めて降り立ったビーグル犬」という経歴を持つ謎のシェフ
前書・まさに「大人のお子様ランチ」みたいなもの
読者賢君は「大人のお子様ランチ」というものをご存知でしょうか?
これはホテルニューグランドで時々出ているコースメニューで、ナポリタン・ハンバーグ・プリンアラモード・ドリアやオムライスなどを一流のシェフが全力で手がけるという夢のある逸品です。
本来のお子様ランチでは味はそこそこ、子供が喜ぶようにという感じですが、大人向けのそれに妥協はありません。
メイン級の料理が一つのプレートに何故か共存し、強烈な自己主張をしているのです・・・正直超美味しいですので、次に復刻したら是非食べてください。
閑話休題。
読者賢君が興味を持っている「帝国ホテル東京 グラン・シェフ・スヌーピープラン」はまさにこの「大人のお子様ランチ」のようなものです。
滞在するまでは私も「まあ、所詮はキャラクタールームだし・・・」などと舐めてかかりましたが、入室して1分で打ちのめされました。
滞在前は高いと感じた一室約11万円という同ホテルのジュニアスイートルームに相当する金額も、今では「ほぼ妥当」と判断しています。
もちろん、これはキャラクタールームですのでスヌーピーが好きでないと魅力半減ですので、そこはご注意ください。
では、前書きが少し長くなりましたがキャラクタールームの頂点の一角。
帝国ホテル東京のグランシェフスヌーピープランを紹介いたします。
ホテル紹介
ホテル名 | 帝国ホテル東京 |
住 所 | 東京都千代田区内幸町1-1-1 (日比谷公園前) |
設 立 | 1887年12月 (初代会長:渋沢栄一) |
客室数 | 本館:570室 タワー館:349室 |
レストラン バーラウンジ | 13箇所 5箇所 |
「日本一有名なホテル(諸説あります)に説明はいるのか?」と本気で思いましたが、最低限のことは触れさせていただきます。
1887年12月に建設された日本を代表するホテルの一つであり、2021年の大河ドラマであった青天を衝けの主人公であった渋沢栄一さんが初代会長を務めたことでも有名ですね。
今でこそ大幅な変革を遂げたThe Okura Tokyoに「日本を代表するホテル」の座を貸し出しているように見えますが・・・
コロナ禍に苦しむホテル業界で先駆けてサービスアパートメントという思い切った試みを行い。
更に2036年完成に向けての大改装を行う予定があったりと、まだまだ目が離せないホテルだと思っています。
今回我々が宿泊したのは「本館」であり、部屋タイプはデラックスルームをスヌーピー仕様に改造していますよ。
到着〜チェックイン
夢のようなストリングス東京インターコンチネンタル30泊の真っ最中だった私たちはタクシーで品川からこちらに乗り入れました。
写真は翌早朝に撮ったものですが、到着時は2時少し前だったのでたくさんのタクシーや宿泊者の車がひしめいていましたよ。
私たちが到着すると、若いドアマンさんと見るからに熟練なご年配のドアマンさんがドアを開けたり荷物をおろしてくれます。
特にご年配のドアマンさんはビシッとした雰囲気がとてもかっこよく、ホテル慣れしている私でも背筋が伸びてしまいます。
予約していることと氏名を伝えると、慣れた感じで若いドアマンさんが案内をしてくれました。
入り口を潜るとまず目に飛び込んでくるのは、この圧巻の「花」です。
この時は夏なので綺麗な向日葵ですが、季節によって花が変わります。
帝国ホテルと聞いてこれを思い浮かべる方もいるのではないでしょうか?
そして、始めてくる方が意外に思うポイントは、やはり入った瞬間に感じる人の多さでしょう。
帝国ホテルは一つの街です。企業単体の社員数だけでも1000人を超え、ホテルの中に薬局や病院もありますよ。
私はここにくる度に、帝国ホテルは一つ街であると感じます。
ラウンジにひしめく人を横目に花の前で記念撮影をする多くの人を横切り、フロントに向かいます。
ここのフロント(レセプション)大好きです・・・なにこの造形美。
椅子の配置、シンプルな装いなど見ていると美しくてため息が出ます。
普通のお客さんはこちらでチェックインします。
私のようにインペリアルクラブに入会している人は、通常のレセプションの横にあるこちらでチェックイン可能です。
フロントのお兄さんに会員であることを伝えたため、スムーズにこちらに通されました。
丁度ご年配のご夫婦がレイトチェックアウトしてきたのか、ほくほくした顔で私たちを横切っていきました。
一般カウンターが混んでいてもこちらが空いているというのはよくある話で、この時もお隣は何人も並んでましたが、こちらは私一人しか並んでいませんでした。
すぐに名前を呼ばれ、チェックインの手続きとなります。
入会後初めてのことでしたが、「レイトチェックアウトは不可」とお達しを受けました。
お盆期間ということもあり「部屋の主人」は多くの仕事を抱えているらしく、12時を迎えると次の仕事の準備があるそうです。
それなら仕方ないと快諾し、カードキーを受け取って部屋に向かいます。
この日は花の後ろにある階段を登り、2階からアプローチしました。
エレベーターに乗り、客室階に移動します。
エレベーターを降りると、ホールと客室エリアの間が自動ドアに阻まれています。
これは宿泊者のカードキーがないと開くことはできず、セキュリティ面もバッチリ。
持っているカードキーで扉を開け、少し歩くとすぐに部屋につきました。
再度ここでカードキーをかざし、ロックを解除した客室のドアノブを握る手にいつもよりも力がこもります。
一度彼女と顔を見合わせた後、意を決して扉を開け放ちました。
部屋紹介(スヌーピー デラックスルーム)
入った瞬間、圧倒的な存在感を放つ「部屋の主人」と目が合いました。
・・・いる!!
普通ならば我々ゲストに提供されるであろう椅子に、事もなさげに鎮座するシェフが一人・・・いえ、一匹。
思わず彼女も私も「キター! いるー!」と変なテンションのまま満面の笑みになっていました。
ピーナッツギャングの愛らしさ、帝国ホテル東京がこの部屋のために用意している限定グッズ、部屋の主人に目を奪われつつ、精錬された美しい調度品の数々に酔いしれます。
「私のピーナッツ愛と高級ホテル愛を同時に満たすとは・・・帝国ホテル東京、恐ろしい子!」なんて思ってました。
まず目を奪われるのは、やはりこのベッド。
下のカーペットはシェフ姿のスヌーピー。
ベッドスローには所狭しとピーナッツギャングが並び、枕元のクッションもスヌーピーの特別仕様です。
もうこの時点で顔がにやけて戻りません。
ベッドの横にはソファーがあり、小規模なリビングエリアになっていました。
ベッドにも置いてあったスヌーピークッションは絶妙な反発加減で私も彼女も大好きな一品でした・・・売ってたら即買うレベル。
机の上には宿泊者だけがゲットできる特典が置いてあります。
もう特典の袋の時点で「最高かよ」という印象。
二つあったので流血沙汰には至りませんでした。
彼女とアイコンタクト2秒、保管用の2枚目を確保できるかを確認するまで記載はしない。
(なお、夕飯のルームサービス担当者に聞いたら普通にもう一枚くれました)
後で後述しますが・・・この時はあまり期待してなかったけど普通に美味しくてびっくりしました。
彼は「月に初めて降り立ったビーグル犬」という異例の経歴を持つ想像力が豊かなシェフと聞き及んでいます。
ちなみに、普通のデラックスルームならこの青い椅子って我々が座るやつですからね??
そんな場所に平然と鎮座する胆力たるや、なかなかのものだと思います。
この部屋のコンセプトに従い、私と彼女はこの不思議なシェフに料理を振る舞われているというつもりで滞在していました。
キャラクタールームにこそ、コンセプトは重要だと思っています。
クローゼットは連泊だと少し物足りないですが、1泊で2人なら十分すぎる大きさです。
足元には他の部屋にはない限定のスリッパが!!
「マイスリッパにしたいけどこんな完璧なアイテム勿体無くて使えるかぁぁぁぁぁ!」って叫びたかったです。
スリッパのフカフカさ、質、袋の全てで基準を満たしていますがパークハイアット京都のスリッパくんは役目続行です。
テレビの横の棚・・・この時点で完璧な造形美にびっくり。
中には寒い時用の毛布が入ってました。
このパジャマがまた着心地バッチリ・・・流石は帝国ホテルやで。
これ何年前に作ったんだろう・・・造形、機能性が完璧すぎて逆に引く。
これを作った職人さんにお会いしてどういう計算でこれを作ったのか教えて欲しい・・・
この棚だけでも家に欲しいけど、絶対に特注品だよね。どこにも売ってなさそう。
うちの彼女が「ああー、かわいいー!!」って発狂した食器棚。
平然と置いてあるカップがいいアクセントになってますね。
ポットとサービスのお水。
お水はSDGsを考慮してパックにしたそうです。
これってあれよね・・・ホテルインディゴで昔あった瓶のやつ。
中〜下段の構成。左に冷蔵庫。右手にパジャマとリモコンの棚。
何がすごいってこのリモコンスペース。何をどうやったらこんな構造思いつくの?
この棚を語るだけでかなり行数を消費しそうなので、流石に自重して飛ばします。
ベッドの横から入れる入り口右手のスペースはウェットエリアになっています。
風呂トイレ別でだいぶ余裕があるスペース。
洗面台。大きさは普通。
左に見えるアメニティの豪華さがかなりすごいです・・・
シャンプーとかも普通の部屋よりいいやつだと思います。
帝国ホテルのシャンプーは基本的に「帝国ホテルオリジナル」ですよ。
トイレは狭いように見えて、結構ちゃんとスペースがあった印象。
細長いってのも結構使いやすいなと思いました。
お風呂も広々。少し古いタイプのレインシャワーがあり。
しかも、このお風呂はなんと写真2枚目の給湯システムを使えばボタン一つでお風呂のお湯が入れられます!
これは本館のみの仕様でサービスアパートメントでは使えないそうです。すごい。
バスタオル。床に頭を擦り付けて「売ってください!」って言いたくなるレベルのクオリティ。
もちろんふっかふっかですよ。
被写体がおじさんで申し訳ないけど、こういうバスローブもあった。
着ない理由がなかったから着た。普通にいいバスローブでしたね。
なお、部屋の眺めは日比谷公園が左手に見える結構いい感じのお部屋でした。
部屋の紹介はここで終わりですので、次はルームサービスを紹介します。
ルームサービス
少し遅めのお昼ご飯。入室するなりシェフに作っていただきました。
ここのルームサービスは基本的にバラが一輪添えられてます。おしゃれですよね。
ミートソース(ボロネーゼ)のスパゲッティ。ルーが別なのがオシャレ。
しっかりと肉感もあって、結構美味しかったみたいです。
「帝国ホテル行ってこれを食べないなんて、お前何して来たの??」と後輩に尋ねたこともあるクラブハウスサンドイッチ。
帝国ホテルに来たらまずはこれでしょ、と私は思っています。
ツナを使った独特な作りで、味は超うまいです。(個人の感想です)
なお、これはインペリアルクラブラウンジでも有償で注文可能ですので、ラウンジが使える人はそちらで食べた方が若干得かも。
ラウンジの方がドリンク代は安いですしね。
夜遅くまでまったりし、じゃんけんに負けた哀れな敗者(私)はストリングス東京に帰ることになったのでその前にお夕飯。
この部屋って意外に椅子が多くて場所には困らないけど、テレビ前が私たちのベストスポットでした。
ご主人の顔もバッチリ見えますしね。
普通に美味しいカレー。私は富士屋ホテルのカレー派です。
創業100年組では富士屋>帝国>金谷ですが、皆様はいかがですか?
ハンバーグステーキとライス。
肉感もあってジューシーでうまうま。ソースもご飯が進む進む。
美味しいけど高いのよ、ここの肉系のルームサービス・・・
プランの特別朝食
朝になると毎回ルームサービスを持って来てくれたお姉さんが少し変わったカートを持って来ました。
カラフルな色合いのシーツがひかれており、テレビを見ながら待っているとそこに次々と食材が並んでいきます。
鮮やか、かわいい、美味しいの3テンポが揃った朝食。
この朝食セットの最大の特徴は「普通に美味しいこと」です。
こういうキャラクターご飯は味は2の次になりがちですが、帝国ホテルではそんな妥協はありませんでした。
一品一品がとても可愛らしく、美味しく仕上げられていて目も舌もお腹も大満足です。
スヌーパンは何気に初めての実食でしたが、家でも食べたいほど美味しかったです・・・なんぞこのパン。
完食すると、下からはスヌーピーが登場。
子供が喜びそうな演出でとてもいいと思います。
館内施設
先ほど申し上げましたが、帝国ホテルはそれ自体が一つの街です。
私は城下町とよく言ってますが、本館・タワー館にある「アーケード」は他のホテルにないほど大規模で、何かを忘れて来ても概ねここでなんとかなると思います。
洋服や鞄、薬局もあるし、タワー館には診療所まで存在します。
しかも、立地は新橋と有楽町の中間点のため、付近にもたくさんのお店が点在しているような立地です。
タワー館にはサービスアパートメントという長期滞在に特化した施設もあります。
ここは本館と比べれば部屋スペックは落ちますが、それでも普通にかなりいい部屋だと思いますよ。
ここを月額30万円程度で貸し出すと聞いた時の衝撃と言ったら、もうね!!
ここに暮すことができたら幸せだろうなぁ・・・と思いつつ、指を咥えながら前を素通りしました。
ホテル内には13種類ものレストランが存在します。
これだけ多いホテルはあまり聞いたことがありませんね・・・
当時はスヌーピーの限定ディナーとかもありましたが、予約がいっぱいで食べられませんでした。無念。
ホテル内にあるセブンイレブン。
もう見た目からしてかっこいいですが、中身は高めのお酒も売ってるセブンイレブンです。
なぜかマッカランのハーフボトルとかが普通に売っていて正直かなりびっくりしました・・・普通のセブンではない。
ホテル直営のお土産物屋さんはスイーツ・焼き菓子と冷凍食品とグッズ・お惣菜やワインの3店舗に分かれています。
スヌーピープランで滞在された方は、忘れずにこちらでグッズも買っておきましょう。
もちろん私たちはここにあるものは全て人数分調達しました。
インペリアルクラブに加入している方はカードで決済するとポイントも貯まって嬉しいですよ。
私は会員なのでインペリアルクラブラウンジにも行けたのですが、今回は部屋を楽しみたかったので行くことを断念しました。
チェックアウト
朝食を食べ終わったら少し休んで片付けをしたら、あっという間にチェックアウトの時間です。
普通のデラックスルームなら15時までのレイトアウトを承認してくれたかもしれませんが、如何せん部屋の主人が多忙なので今日は12時でお暇しないといけません。
(お盆期間なのでこの対応でしたが、閑散期なら15時のレイトアウトが承認された可能性は十分にあります)
このプランのカードキーは普通のものと変わらないため、貰うための交渉をすることもなくチェックアウトの手続きを行いました。
代金は11万円+ルームサービス+お土産代でかなりの高額なプランではありました。
帝国ホテルの価格帯ですと、これだけあれば普通にジュニアスイートルームに宿泊してそこそこ豪華なディナーも食べられます。
ですが、不思議と満足感はそれ以上の体験でした。
最後に
私は元々、キャラクタールーム・コンセプトルームはあまり好きではありませんでした。
神戸のピーナッツホテル然り、USJ横のリーベルホテル然り。
原作のコンセプトをふんだんに取り入れたり、可愛らしく仕上げてはいますが、ホテルとしての質はそこまで高くありません。
値段の割には設備やご飯を考えると「うーん」と唸ってやめてしまうのがほとんどでした。
ですが、帝国ホテル東京のこのプランは私の既成概念を粉々に叩き壊しました。
一流のスタッフ、一流のホテルが本気で取り組むコンセプト・キャラクタールームのなんと素晴らしいことか。
部屋のスペックやスタッフのサービスといった基礎的な要素で殴りながら、しっかりとキャラクターの要素を盛り込む。
普段高級ホテルに泊まることもある私でも唸ってしまうとても良いプランでした。
帝国ホテルは大阪でもかなり力を入れてスヌーピールームを売り込んでいるので、是非そちらも行ってみたいと思っています。
では、今日の記事はここまでです。
また別の記事でもお会いできたら嬉しいです。